応援には自省がたいせつ

FC東京が「【重要】応援に関する注意喚起」という声明を発表した。「特定の選手を対象としたSNS上での誹謗中傷や、特定の企業・団体名を含む侮辱的な替え歌など、クラブとして看過することのできない複数の事象を確認」したとのこと。サポーターの振る舞いが、Xで、いわゆる“炎上”状態になっているようである。こういう匿名のいさかいを見聞きするのは苦手なので、Xは極力使わないようにしている。

……のだが、後段の「特定の企業・団体名を含む侮辱的な替え歌」については、動画が拡散した、先日のジェフ千葉戦の現場に居たので、当事者として、言及する責任を感じた。当該替え歌は、試合が終わり、スタンドに対する選手の挨拶も終わって、ゴール裏以外はまばらになってきた時間帯に歌われたもので、私は、その様子を上段の指定席に座って観ていた。その時は、「国立開催で、神宮球場の横まで来たから盛り上がってるな」と思い、“現場”の空気の一つとして楽しんだ、というのが、正直なところである。“現場”、すなわち、スタジアムに足を運び、放送ではなく、実際に自分の目で試合を観ることは、とても楽しい。それは、サッカーそのものに限らず、スタジアムグルメを食べ、ユニフォームを着てチャットを歌うという一連の体験によって、もたらされるものだ。思えば、これは祭りに似ている。屋台があり、そろいの衣装があり、唱和がある。集団で、非日常を楽しむための要素が詰まっている。が、まず一回、体験してみないことには、知ることができない。

では、どうやって最初の一回のきっかけをつくるのか。この日は、ポケモンとコラボした企画が行われた。このように、他の娯楽の力を借りた訴求が行われているのは、多くの人にとって、この体験が未知であり、サッカーをスタジアムで観戦する文化が、国民的とはいえないことの証左であろう。そうした中で、このような替え歌の盛り上がりは、身内ノリの悪ふざけと受け取られる。自身が楽しむあまりに客観性を欠いていたことを反省した。

ちなみに、スワローズの私設応援団「全国ツバメ軍団」は「東京音頭の前奏は『東京ヤクルト』で!」とよびかけている。WEBサイトの「(前略)かつて、少数のファンの時代はそうでした。旧きも新しきも、主張するばかりでなく、お互いに少しずつ理解しあい、楽しいスタンドをつくっていきませんか。(後略)」という言葉をみて、襟を正す。

<出典>
・FC東京「【重要】応援に関する注意喚起」(https://www.fctokyo.co.jp/news/details/340345/)2026/8/25閲覧。
・全国ツバメ軍団「東京音頭について」(http://tsubamegundan.com/report1.html)2026/8/25閲覧。

以下:公開後追記

※上記の声明は「特定の選手を対象としたSNS上での誹謗中傷」にも触れている。本記事で扱ったのは替え歌の件のみであるが、誹謗中傷も同じく問題だ。匿名を盾にした一方的な攻撃は、相手が選手であれ、誰であれ、卑劣であることを付言しておく。

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